「あれ?ドキドキする…」それって大丈夫?『動悸』について知っておきたいこと
皆さん、こんにちは! しんがい内科・循環器内科 沼南クリニック院長の安原です。
普段の生活で、「あれ?なんだか心臓がドキドキする…」「胸がドクンッてなった!」と感じたことはありませんか? それは「動悸(どうき)」かもしれません。
動悸を感じると、「何か悪い病気だったらどうしよう…」と不安になりますよね。 今日は、そんな「動悸」について、その正体や原因、そしてどんな時に病院へ行けばいいのかを、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。
そもそも「動悸」って何?
まず、「動悸」とは、普段は意識しない心臓の動き(拍動)を、ドキドキ、ドクンドクン、といった感覚で自覚することを指します。
感じ方は人それぞれで、
- ドキドキ、バクバク: 心臓が速く打っている感じ
- ドクン、ドクン: 一拍一拍を強く感じる
- 脈が飛ぶ、抜ける: 一瞬、心臓が止まったように感じる
- トクトク、バラバラ: リズムが不規則に感じる
など、様々な表現があります。 普段意識しない心臓の動きを、何らかの形で「あれ?」と感じる状態、それが「動悸」なんです。
なんで動悸を感じるの? その時、心臓はどうなってる?
では、動悸を感じている時、私たちの心臓は実際にどうなっているのでしょうか?
動悸を感じる主なパターンは、心臓の動きがいつもと違う状態になっている時です。
- 動きが速すぎる(頻脈): 安静時なのに脈が速い
- 動きが遅すぎる(徐脈): 脈がゆっくりすぎる ※
- 動きが強い: いつもより力強く拍動している
- リズムが乱れている(不整脈): 拍動の間隔が一定でない
※脈が遅い場合は、動悸として感じるだけでなく、めまいやふらつき、場合によっては失神の原因になることもあります。
例えば、運動した後や緊張した時に心臓がドキドキするのは、体が必要とする酸素を全身に送るために心臓が力強く速く動いている、いわば生理的な反応です。これは心配いりません。
しかし、特に理由がないのに動悸を感じる場合は、何らかの不調のサインである可能性も考えられます。
動悸の原因は? 心臓だけじゃない?
動悸の原因を考えることは、「なぜ心臓がいつもと違う動きをしているのか?」を考えることと同じです。
原因は大きく分けて、
- 心臓そのものに原因がある場合 (約45%)
- 精神的な要因(ストレスなど) (約30%)
- 心臓以外の体の問題 (甲状腺ホルモンの異常、貧血、脱水など)
- 薬や嗜好品の影響 (カフェイン、アルコール、一部の薬など)
- 原因が特定できない場合
などがあります。意外と心臓以外の原因も多いんですね。
1. 心臓に原因がある場合 代表的なのは「不整脈」です。心臓は、電気が流れることで規則正しく動いています。この電気信号の発生や通り道に異常が起こると、脈が速くなったり、遅くなったり、リズムが乱れたりして、動悸を感じます。 不整脈の種類によっては、命に関わる危険なものもあります。特に、元々心臓の機能が低下している方(心不全や心筋梗塞の既往がある方など)に不整脈が起こると、リスクが高まることがあります。
2. 精神的な要因 強いストレスや不安、緊張を感じると、自律神経が乱れて心臓の動きに影響が出ることがあります。パニック障害や不安障害、更年期障害なども動悸の原因となり得ます。
3. 心臓以外の体の問題 例えば、貧血で血液が薄くなると、体は酸素不足を補うために心臓を速く動かそうとします。また、甲状腺ホルモンが過剰に出る病気(バセドウ病など)でも、脈が非常に速くなることがあります。
4. 薬や嗜好品の影響 カフェインの摂りすぎや、一部の風邪薬、喘息の薬などが動悸を引き起こすこともあります。
動悸を感じたら? 放置しないで、まず相談を!
動悸を感じると不安になると思いますが、大切なのは「放置しないこと」です。 特に、以下のような症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診してください。
- めまい、ふらつき
- 気が遠くなる感じ、失神
- 胸の痛み、圧迫感
- 息苦しさ
これらの症状がある場合は、危険な不整脈や他の心臓病が隠れている可能性があります。
心配な動悸は検査で原因を特定!当院でできること
「この動悸、大丈夫かな…」と心配になったら、まずは専門医に相談することが大切です。 私たち、しんがい内科・循環器内科 沼南クリニックは、**心臓と血管の専門クリニック(循環器内科)**です。
動悸の原因を詳しく調べるために、以下のような検査を行うことができます。
- 心電図検査: その時の心臓の電気的な活動を記録します。
- ホルター心電図: 24時間、小型の心電計を装着し、日常生活中の心臓の動きを記録します。シャワーも可能です。受診時に症状がなくても、動悸が起こった時の心電図を捉えることができます。
- 運動負荷心電図: 運動(ベルトコンベアの上を歩くなど)をして心臓に負荷をかけた時の心電図変化を見ます。労作時の動悸や胸痛の原因を調べるのに役立ちます。
- 心臓超音波検査(心エコー): 心臓の形、大きさ、壁の厚さ、動き、弁の状態などをリアルタイムで観察します。心臓自体の機能に問題がないかを確認できます。
- 血液検査: 貧血や甲状腺ホルモンの異常など、心臓以外の原因がないか調べます。
これらの詳しい検査を行うことで、動悸の原因を特定し、適切な対処法を見つけることができます。原因が分かれば、不要な心配も減りますよね。
最後に
動悸は、誰にでも起こりうる身近な症状です。その多くは心配のないものですが、中には注意が必要な病気のサインであることもあります。
もし、あなたが動悸を感じて不安に思っているなら、一人で悩まず、ぜひ一度私たちにご相談ください。 専門的な検査で原因をしっかりと突き止め、皆さんの不安を安心に変えるお手伝いをいたします。