〜睡眠時無呼吸症候群について〜発症のリスクとは?放置するとどうなる?
こんにちは、しんがい内科・循環器内科 沼南クリニックの院長の安原健太郎です。
最近、寝ても疲れが取れない、日中もすぐ眠くなる、こんな症状を自覚したことはありませんか?もしかしたらそれは睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
今回のブログではどんな人が睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいのか?放置するとどんなリスクがあるのかについて解説します。睡眠時無呼吸症候群にはOSA(閉塞生睡眠時無呼吸)とCSA(中枢性睡眠時無呼吸)がありますが、圧倒的にOSAが多いためOSAについて解説します。
OSAの危険因子は大きく3つあります。
1、肥満
特に首まわりや舌の付け根に脂肪がつくことで、気道が狭くなります。BMIが30を超えると発症リスクは数倍に跳ね上がります。
2、加齢
年齢とともに咽頭周囲の筋肉の緊張が低下し、気道が閉じやすくなります。
3、男性
男性は女性より咽頭腔が狭く、脂肪の付き方もOSAが発症しやすいんです。
ただし、閉経後の女性はホルモンの変化によって有病率が増え、男性との差が縮まります。
OSAは人間に特有の病気です。その理由は、様々ありますが人間が直立二足歩行になることで頭蓋骨の形が変わったことが要因と言われています。
OSAを放置すると一体どうなるんでしょうか?
これまでの研究では、OSAがある人は高血圧の発症リスクが約2〜3倍、心不全の発症リスクは約2倍、脳卒中の発症リスクは約3〜4倍になると報告されています。
特に重症OSAを未治療のまま放置した場合、心血管死亡のリスクは5倍以上に跳ね上がります。
糖尿病との関連も指摘されています。
2型糖尿病患者さんの約30%に中等症以上のOSAがあります。OSAがあると糖尿病の原因となるインスリン抵抗性が悪化します。
さらに、OSAの重要な症状である日中の眠気による交通事故のリスクは、OSAを持たない人の2〜7倍というデータもあります。
職業運転手では未治療のOSAで事故率が5倍に達するという報告もあります。
OSAの治療で一番有効な治療はCPAP療法と言います。次回は治療の効果などについてお話しします。
しんがい内科・循環器内科 沼南クリニックでは、健康診断で気になった数値について丁寧に診察・検査を行います。
生活習慣病を中心に薬に頼らない、患者様に優しい医療を心がけています。お悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。