健診で「コレステロールが高い」と言われたあなたへ
― 生活習慣の改善から、一緒に考えてみませんか ―
循環器専門医が、あなたの体質・生活習慣・更年期の状態をじっくり確認したうえで、最善の方法を一緒に考えます。
院長からのメッセージ
コレステロールの治療は、「すぐに薬を飲む」か「何もしない」かの二択ではありません。

薬(スタチンなど)を否定しているわけではありません。心血管リスクが高い方にとって、薬物療法は非常に重要な選択肢です。
一方で、リスクが低〜中程度と判断される方の場合、まず食事・生活習慣の見直しから始め、一定期間様子を見ることが合理的な場合もあります。大切なのは、「今のあなたの状態」をきちんと把握したうえで判断することです。
特に更年期前後の女性の場合、ホルモン変化や甲状腺の問題、食生活の見直しが数値の改善に結びつくケースもあります。まず、あなたの体のことを一緒に丁寧に確認しましょう。
循環器専門医・総合内科専門医
しんがい内科・循環器内科 沼南クリニック 院長 安原 健太郎
こんな方にご相談ください
- 健診でLDL(悪玉)コレステロールが高いと言われたが、まだ様子を見たい
- できれば薬に頼らず、食事や生活習慣で改善できないか知りたい
- 40〜60代で、更年期以降からコレステロールの数値が上がってきた
- 以前から数値は高いが、症状がなくどうすれば良いか迷っている
- 家族に心筋梗塞・脳梗塞の人がいて、自分のリスクが心配
- コレステロールの薬について、不安や疑問がある
- 薬を勧められたが、本当に必要か悩んでいる
なぜ中年女性はコレステロールが上がりやすいのか
更年期以降、女性ホルモン(エストロゲン)が低下すると、コレステロールの代謝が変わりやすくなり、LDLが上昇しやすい状態になることが知られています。
「急に数値が悪化した」「太っていないのに高い」— そのような変化は、生活習慣だけでなく、ホルモンの変化や甲状腺の機能が関係している場合もあります。まず原因を丁寧に調べることが、適切な対策への第一歩です。
当院の方針
「状態によっては、まず生活習慣の改善から始める選択肢があります」
1詳しい血液検査で「なぜ高いのか」の背景を調べる(LDL・HDL・中性脂肪・甲状腺・血糖など)
2循環器専門医が心血管リスクを評価(動脈硬化の程度、家族歴、他のリスク因子)
3食事指導を中心とした非薬物療法から開始し、経過を観察
4一定期間後に再評価。改善が不十分な場合のみ、薬物療法をご提案
※すでに心筋梗塞・脳梗塞の既往がある方、または心血管リスクが高い方には、薬物療法を早期から開始することが医学的に推奨されています。安全を最優先に、丁寧にご説明します。
具体的な指導内容
食事指導(管理栄養士と連携)
食事療法は、コレステロール管理において大切な役割を果たします。ただし「何を食べれば必ず下がる」という単純なものではなく、個人の体質・生活環境に合わせた、継続しやすい方法を一緒に考えることを大切にしています。
- 飽和脂肪酸・トランス脂肪酸を含む食品の見直し(肉の脂身・加工食品・洋菓子など)
- 食物繊維・不飽和脂肪酸を含む食品の取り入れ方(野菜・魚・ナッツ類など)
- 「コレステロールを含む食品=すべて悪い」という誤解を整理する
- 外食が多い方・忙しい方でも実践しやすい、無理のない食事の工夫
運動・生活習慣の見直し
有酸素運動は、HDL(善玉コレステロール)の上昇や中性脂肪の低下、体重・血糖管理を通じた脂質代謝の改善に役立つと考えられています。
※LDLコレステロールへの直接的な低下効果は、運動単独では限定的とされています。食事療法や生活習慣全体の見直しと組み合わせることが重要です。
- ウォーキングなど、無理なく続けられる有酸素運動の活用
- 禁煙・節酒など、脂質代謝に影響するその他の生活習慣の整理
よくあるご質問(FAQ)
- Q.症状がないのに受診する必要がありますか?
- コレステロールは「沈黙の生活習慣病」と呼ばれ、自覚症状がないまま動脈硬化が進むことがあります。心筋梗塞・脳梗塞は突然起こることも多く、数値が高い段階から対策を考えることが重要とされています。
- Q.食事を気をつけているのになぜ数値が高いのですか?
- コレステロールの多くは肝臓で合成されるため、食事だけでコントロールできない場合があります。体質(遺伝)や更年期のホルモン変化、甲状腺の機能低下が関係していることもあります。まず血液検査で背景を調べることが大切です。
- Q.薬を使わずに改善できる可能性はありますか?
- 心血管リスクが低〜中程度と判断される方の場合、食事・生活習慣の改善で目標値に近づくケースもあります。ただし改善の程度には個人差があります。一定期間取り組んでいただいたうえで、再評価しながら方針を決めていきます。
- Q.どんな検査をしますか?
- 初回は脂質4項目(LDL・HDL・中性脂肪・総コレステロール)に加え、血糖・甲状腺ホルモン・炎症マーカーなども確認します。必要に応じて頸動脈エコー(動脈硬化の程度を調べる検査)も行います。







