健康診断で「血糖値が高い」と言われた方へ|生活習慣で糖尿病を防ぐ4つのポイント|
こんにちは。しんがい内科・循環器内科 沼南クリニック 院長の安原健太郎です。
近年、健康診断で「血糖値が高い」「糖尿病予備軍です」と指摘される方が増えています。
「薬が必要なのでは?」と心配される方も多いですが、実は初期の段階では生活習慣の見直しだけで改善できるケースがたくさんあります。
この記事では、
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健康診断の数値の見方
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糖尿病の仕組みと原因
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放置すると起こる合併症
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薬に頼らず改善する方法
について、わかりやすく解説します。
血糖値とHbA1cの見方を知ろう
空腹時血糖値の基準
健康診断で測定する空腹時血糖値は、朝食を抜いた状態での血糖です。
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正常値:100mg/dL未満
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境界型(糖尿病予備軍):100〜125mg/dL
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糖尿病:126mg/dL以上
「110だからまだ大丈夫」と思っていませんか?
実はこの境界型こそ、将来の糖尿病を防ぐための分かれ道です。
HbA1c(ヘモグロビンA1c)の基準
HbA1cは、過去1〜2か月間の平均的な血糖状態を示す指標です。
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正常:5.5%以下
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境界型:5.6〜6.4%
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糖尿病:6.5%以上
血糖値が正常でも、HbA1cが高い場合は注意が必要です。
糖尿病とはどんな病気?
糖尿病は単に「血糖値が高い病気」ではありません。
その本質は、インスリンというホルモンがうまく働かなくなることにあります。
インスリンの役割
食事をすると炭水化物がブドウ糖に分解され、血液中に吸収されます。
インスリンは膵臓から分泌され、ブドウ糖を体の細胞へ運び入れる“鍵”のような働きをしています。
この仕組みがうまくいかなくなると、ブドウ糖が細胞に取り込まれず、血液中に残ってしまいます。
その結果、血糖が高い状態が続き、血管や神経が少しずつ傷ついていくのです。
1型糖尿病と2型糖尿病の違い
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1型糖尿病:
膵臓がインスリンをほとんど作れなくなるタイプ。若い方に多く、生活習慣とは関係ありません。 -
2型糖尿病:
日本人の糖尿病の約95%を占め、生活習慣が深く関係しています。
このタイプの中心的な問題が「インスリン抵抗性」です。
インスリン抵抗性とは?
インスリンが出ているにもかかわらず、細胞が反応しにくくなる状態をインスリン抵抗性といいます。
血糖が下がらないため、膵臓はさらに多くのインスリンを分泌し続けます。
しかし膵臓は次第に疲れ、インスリンの分泌量が減少。
やがて血糖が上がり、境界型 → 糖尿病へと進行していきます。
インスリンが効かなくなる主な原因

内臓脂肪と脂肪肝
内臓脂肪や肝臓にたまった脂肪は、インスリンの働きを妨げる物質を放出します。
脂肪肝は特に血糖コントロールを悪化させる要因です。
筋肉量の低下・運動不足
筋肉はブドウ糖を消費する「最大の器官」です。
筋肉が減ると、血糖が上がりやすくなります。
睡眠不足・ストレス・遺伝
睡眠の質の低下や慢性的なストレスも、ホルモンバランスを崩しインスリン抵抗性を悪化させます。
【関連ページ】→ 脂肪肝外来はこちら
【関連ページ】→ 睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病の関係
糖尿病の合併症 ―「しめじ」を覚えましょう
糖尿病を放置すると、次のような合併症が進行します。
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神経障害(し):手足のしびれや痛み
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網膜症(め):視力低下、失明の原因に
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腎症(じ):腎不全、透析が必要になることも
これらはすべて、高血糖が細い血管を傷つけることで起こります。
さらに、心筋梗塞や脳梗塞などの大血管障害も深刻です。
糖尿病があると、
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心筋梗塞のリスク:2〜3倍
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脳梗塞のリスク:2〜3倍
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心不全のリスク:2〜4倍
と報告されています。
【関連ページ】→ 心臓リハビリテーションとは
境界型血糖は「戻せるチャンス」
「糖尿病ではないから大丈夫」と油断するのは危険です。
境界型血糖は、膵臓が疲れかけているサインです。
この時期に生活習慣を見直すことで、インスリンの働きを回復させ、血糖を正常化することが可能です。
薬に頼らず血糖を改善するための4つのポイント
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内臓脂肪・脂肪肝を減らす
バランスの取れた食事と適度な運動で脂肪を減らします。 -
筋肉を増やす
ウォーキングや軽い筋トレを継続し、糖を使える体に。 -
睡眠の質を整える
6〜7時間の良質な睡眠がホルモンの安定につながります。 -
ストレスをためない
過度なストレスは血糖を上げる原因になります。
【関連ページ】→ 高血圧と生活習慣改善
【関連ページ】→ ダイエット外来のご案内
まとめ
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糖尿病は、インスリンの働きが弱まり血糖が下がりにくくなる病気です。
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放置すると、神経・目・腎臓だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まります。
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境界型血糖は“戻せるチャンス”。早めの対策が大切です。
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食事・運動・睡眠・ストレスを整えることで、薬に頼らず改善する可能性があります。
福山市で糖尿病予防・生活習慣改善なら
しんがい内科・循環器内科 沼南クリニックへご相談ください。
当院では、薬だけに頼らず「生活習慣の改善」に重点を置いた糖尿病治療を行っています。
血糖値やHbA1cが少し高いと指摘された方も、ぜひお気軽にご相談ください。
しんがい内科・循環器内科 沼南クリニック
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