脂肪肝とは?—日本人の4人に1人が抱える生活習慣病
こんにちは。しんがい内科・循環器内科 沼南クリニックの院長、安原健太郎です。
「健康診断で肝機能の数値が高いと言われたけど、どういうこと?」
「脂肪肝ってどんな病気?」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
実は、日本人の 4人に1人 が脂肪肝と言われており、近年増加傾向にあります。
脂肪肝は初期症状がほとんどないため、気づかないうちに進行し、 肝硬変や肝がん、さらには動脈硬化を悪化させる 可能性もあります。
今回は、脂肪肝の原因や健康への影響、診断方法、改善策について詳しく解説します。
脂肪肝の原因とは?
脂肪肝の主な原因は 「アルコールの飲みすぎ」と「食べすぎ(特に糖質のとりすぎ)」 の2つです。
① アルコールによる脂肪肝
アルコールを摂取すると、肝臓は アルコールの分解を最優先 します。その結果、 脂肪の代謝が後回し になり、肝臓に脂肪が蓄積されてしまいます。
② 食べすぎによる脂肪肝
特に 糖質の摂取が多すぎる と、肝臓は余ったエネルギーを脂肪に変え、どんどん蓄積していきます。
日本人は 皮下脂肪(お尻や太ももにつく脂肪)よりも内臓脂肪がたまりやすい体質 で、肝臓は 最も内臓脂肪がたまりやすい臓器 です。
脂肪肝が引き起こす健康リスク
肝臓は、
✔ 解毒作用(アルコール・有害物質の処理)
✔ エネルギーの貯蔵・供給
✔ 脂肪を吸収する胆汁の生成
✔ 体の材料となるタンパク質の合成
といった 生命維持に欠かせない役割 を持っています。
しかし、脂肪肝になると 肝臓の機能が低下 し、以下のリスクが高まります。
🔴 肥満になりやすくなる
🔴 糖尿病を発症しやすくなる(インスリン抵抗性が上昇)
🔴 動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中のリスクが1.5倍に
🔴 脂肪肝の約10%が脂肪肝炎(NASH)に進行
🔴 さらに1%が肝硬変や肝がんに発展する可能性も
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、異常があっても 自覚症状がほとんどない ため、気づいたときには 肝硬変や肝がんになっている こともあります。
脂肪肝の診断方法
脂肪肝の診断には、 血液検査・画像検査(エコー検査) が一般的です。
🔍 血液検査での脂肪肝のサイン
✔ ALT(GPT) → 食べすぎによる脂肪肝で上昇しやすい
✔ AST(GOT)、γ-GTP → アルコール性脂肪肝で上昇しやすい
さらに FIB-4 index(肝臓の繊維化を評価する指標) を測定することで、肝臓のダメージが進行していないか確認できます。
✅ FIB-4 indexが1.3未満 → 問題なし
⚠ FIB-4 indexが2.67以上 → 肝硬変の疑い
脂肪肝の改善・予防策
脂肪肝は 生活習慣を改善すれば、予防・改善が可能 です。
特に 食事・運動習慣の見直し が重要になります。
📝 ① 食事の見直し
✔ 糖質(白米・パン・麺類)の摂取量を調整
✔ 野菜・たんぱく質(魚・大豆・卵)を意識的に増やす
✔ アルコールは適量を守る(男性1日20g、女性10g以内)
🏃♂️ ② 運動習慣をつける
✔ ウォーキングや筋トレで脂肪を燃焼
✔ 週150分以上の運動が推奨される
まとめ
🔵 脂肪肝は日本人の4人に1人が抱える生活習慣病
🔵 アルコールの飲みすぎ・食べすぎが原因で発症
🔵 脂肪肝が進行すると糖尿病や動脈硬化、肝がんのリスクが高まる
🔵 血液検査・エコー検査で診断が可能
🔵 生活習慣の改善で予防・治療ができる
健康診断で 「脂肪肝」と指摘された方は、早めの対策を!
しんがい内科・循環器内科 沼南クリニックでは、
✔ 脂肪肝外来
✔ ダイエット外来
を開設し、個々の状態に合わせた治療を提供しています。
💡 気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
👉 詳しくは HPを確認ください!